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Webデザインにおける「演出家」的視点

特設サイトデザインにおいて、綺麗で見栄えの良いビジュアルを作るのは基本として、それをどうインタラクションさせて、見た人にどんな感情を湧き立たせるのか、見た人の琴線に触れるのか、感情に訴えるのか、という「演出」的な概念が重要になってくると思います。

 

Webだからこそ出来る表現

DTPや動画などのクリエイティブは、情報を「一方通行」で伝えるメディアなのに対し、Webデザインではそこからさらに、見る人の操作によってインタラクティブアニメーションを駆使して双方向で情報を見せることができます。

ブラウザの進化と、CSS3やJavaScript、canvasやWebGLなどの技術を駆使してインタラクティブに絵を見せる表現は、工夫・発想次第でいくらでも再現出来る時代になりました。

これらはWebという分野の特権であり、それらを駆使して訴求を行うのはこの時代のWebデザイナーに求められる「役割」となります。
これらの魅せ方の工夫・発想は、AIや自動化の分野が対応することの出来ない人間ならではの技術となります。

特設サイトをデザインする際は、ビジュアルだけでなく、動き・展開・エフェクトを含めて総合的にデザインする「演出家」的な観点を持つことで、独自の雰囲気を纏ったユニークなページが出来ると思います。

ではどのようにしてそのような観点を持てばよいのでしょうか。

ビジュアルドリブンからエクスペリエンスドリブンへ

まずページのWFやイメージカンプを考えるとき、「どんな見た目のページがいいか」と、ビジュアルドリブンで考えてしまいがちです。

出来上がったページデザインに対し、要所要所でなし崩し的にモーションインタラクションをくわえる…という事例は少なくないと思います。
ビジュアルドリブンの思考ではどうしてもビジュアルの良し悪しが先に来てしまうため、インタラクティブアニメーションが後付になって全体的に静的な見た目になりがちです。(それが駄目なわけではないですが)

見た人を「おっ、このページは他とは違う」と思わせる、高揚させる、興味を惹き付ける、世界観へ引きずり込む、といったアプローチをするならば、「絵力」もありますが、それをどういった演出で、どういった展開で見せていくのかということも考えなければいけません。

そのためには、ビジュアルドリブンで作成をはじめるのではなく、見る人の体験を想像するエクスペリエンスドリブン的な考え方が有効になってくると思います。UXデザインと言い換えても良いかもしれません。

どのような展開で、見た人の感情のギアを上げていくのか。見る人にどんな体験をしてもらうのか。

このビジュアルドリブンからエクスペリエンスドリブンへの考え方のシフトが、特設サイトを作成するときに一味違ったサイトに仕上げるためのプロセスになると感じます。

 

インタラクションをどう伝えるか

アニメーションを作成するうえで有効となるツールはあります。
代表的な物を上げればAdobe AfterEffectsProtoPieなどが活用できます。

ツールの学習コストが懸念される場合は、日頃から参考となるWebデザインをストックしておいて、参考挙動としてそれらを見せて伝えるのも良いと思いますし、手描きで簡単な絵コンテを作成しても良いと思います。
コーディングが得意であれば、実際に挙動するモックをサクッと作ってしまうのもいいでしょう。

この時点でPOやクライアントに「面白いね!」と思わせる事が出来たならしめたものです。

 

普段から心がけるようにすること

「演出」という視点を育むためには、いい映画、良い演劇、または音楽やゲームでもいいですがそれらを沢山見て体験して、感受性を蓄えることが大切になってくると思います。

なおかつそれらを客観的に俯瞰して、分析する能力が必要になってくると思います。
なぜそれが良いと感じたのか、自分なりに分析する習慣をつけること。
いざという時にアウトプットできるようにアーカイブしておけば、それはいずれ強力な武器になります。

 

まとめ

プロダクトやプラットフォームのUIデザインを行うデザイナーは、演出よりも「運用」や「コード思考」「ユーザビリティ」に比重が置かれると思いますので、今回のお話にはあまり当てはまらないかもしれません。

ただ、特設サイトなど広告・クリエイティブ作成に関しては「演出」「見る人の感情に訴えること」が非常に重要になってきます。

ビジュアルやテクノロジーは大事ですが、それらを個々に考えるのではなく、絡め合わせ、特設サイト全体で「一つの演出」を作り上げることで、見る人に大きなのインパクトをもたらすことが出来ます。

これからの時代における特設サイトのデザインとは、ビジュアルだけの話ではなく「全体的な体験」なのだと、認識をシフトさせることが求められると思います。